まず初めに
より手間のかかる解決方法を試す前に、いくつかの一般的な対処方法を試してみましょう。
- Macを再起動してください。特に最近再起動していない場合は今すぐやってみましょう。確認ポップアップの「再ログイン時にウィンドウを開く」のチェックを外しておくと、より効果的です。
- macOSのアップデートを確認してください。Appleが後にアップデートで解決したバグに遭遇している可能性があります。
- Mojave(macOS 10.14)以降のMacであれば、システム環境設定内でソフトウェアアップデートを行うことができます。
- High Sierra(macOS 10.13)以前の場合は、App Store内のソフトウェアアップデートから行うことができます。
- SMC(システム管理コントローラ)をリセットしてみましょう。リセットすることでSMCに記録されている不適切な起動設定を消去できることがあります。
- PRAMやNVRAMをリセットしてみましょう。これはMacのシステム設定を記録している少量のメモリのことです。リセットすることで、不適切な設定を消去できる場合があります。
- Apple Diagnosticを実行して、エラーがないかどうか確認してください。ファンがフル回転している場合に問題があると報告される可能性がある部品は、ファン自体、システム管理コントローラ(SMC)、電源管理システムです。
発熱量が多すぎる
MacBookの負荷が大きくなれば、発生する熱もより多くなります。その熱を逃すために発熱が増えるに従ってファンの回転も速くなります。MacBookの作業負荷が増えるとファンもうるさくなるのは、ごく普通の動作です。
- アクティビティモニタを起動してCPU使用率が高いプロセスがないか確認しましょう。該当するプロセスがアプリケーションの場合は、プログラムを終了させてみましょう。
- 該当するプロセスがkernel_taskの場合は注意が必要です。kernel_taskは、多くの機能を処理します。そのうちの1つは、CPU温度の上昇を引き起こしている可能性があるとmacOSが考えているプロセスのためのバッファです。kernel_taskのCPU使用率が高い場合は、別のプロセスが原因である可能性があります。
筐体内のホコリや通気口の詰まり
どのセンサーも高い温度を示している場合、原因は空気の滞留かも知れません。 熱せられた空気は通常排気口から排出されます。機種によっては、冷たい空気を吸い込むための切れ目が筐体底面の端に沿って設けられています。
- もし何も作業をしていないのに温度が高いようなら、定期的なメンテナンスの時期です。 MacBookの筐体を開いてエアダスターを持ち、ファンについているホコリを吹き飛ばしましょう。
- ヒートシンク沿いの隙間に注目して下さい。この場所は空気がフィンを通って排出される際にペットの毛が特につきやすい場所です。ファンのダクトが詰まっている場合、通常は目視で確認できるはずです。
- ファン全体を外さなくても、先端の尖ったピンセットを使ってこの隙間からホコリの塊を引っ張り出せるかも知れません。
- ファンにホコリが大量に詰まってなかったとしても、ステッカーや紙切れが引っかかって取れないなら、それが問題の原因になっていることもあります。
ソフトウェアの破損や競合
Macを使っている間に、どこかのデータが欠落したり変わってしまったために問題が起きていることがあります。よくある原因としては、不完全なアップデートや機能面で競合するアプリケーション、悪意のあるソフトウェアなどが挙げられます。
- セーフモードで起動できるか試してみましょう。これは、起動時に立ち上げるプロセスを最小限に抑え、いくつかの基本的な修復を試みるものです。
- もしセーフモードで起動するとファンの音が正常に戻るなら、原因はサードパーティー製のソフトウェアだと思われます。
- 最近インストールしたアプリや更新したアプリをアンインストールして、再テストしてください。最近行われた変更がわからない場合は、「システム情報」アプリを確認してください。ソフトウェア」セクションで、インストールされた全アプリケーションの時系列順リストを確認できます。
- 最終手段になりますが、リカバリーモードを使ってOSをインストールし直してみましょう。これによってデータが失われることはないはずですが、用心するに越したことはありません。バックアップデータがどうなっているか確認しましょう。(ない場合はリカバリーガイドを参照しましょう。)
- ディスクを消去し、OSの再インストールでソフトウェアを完全に除外してください。問題が解決するまでは、バックアップから項目を復元しようとすることは控えてください。
悪意のあるソフトウェア
Macユーザーの間では、Appleコンピュータは「ウイルスに感染しない」ので、ウイルス対策ソフトは必要ないという俗説があるようです。ある程度は事実で、本当に悪意のあるソフトウェアに感染する可能性は低くなります。しかし、データを取得し、システムを停滞させる可能性のあるあらゆる種類のジャンクウェアに感染する可能性は依然としてあります。
- Macのウイルススキャンを実行します。現在、ウイルス対策ソフトをお持ちでない場合は、無料のソフトウェアがたくさんあります。Malwarebytesは、無料版であっても、ジャンクを一掃するための良い最初の手段であることが多いです。
- システムのリソースを異常に多く使っているプロセスがある場合は、それが妥当なものかどうか念入りに確認して下さい。悪意あるソフトウェアの中には、正体を偽装してちゃんとしたソフトウェアの一部だと見せかけるものがあります。
- 「Macのメンテナンスはこの一本で全部OK」であると主張するソフトウェアには手を出さないでください。MacKeeper、Advanced Mac Cleaner、Mac Fixer、または似たような名前のプログラムは、問題を解決するよりも、問題を引き起こす可能性の方が高いです。
放熱システムの不具合
CPUやGPUだけが高温になっている場合、冷却システムの他の部分に問題がある可能性があります。冷却システムが上手く機能していないと熱を上手く発散できなくなります。
- CPUやGPUの温度が高い場合は、ヒートシンクが正しく取り付けられていることを確認してください。四隅のネジでしっかりと取り付けられている必要があります。
- さらに、CPU (およびMacBookに専用のグラフィックハードウェアがある場合はGPU)にサーマルペーストを塗ることで、ヒートシンクへの熱伝達を最適化し、動作温度を低下させることができます。
- まれに、ヒートシンクの交換が必要な場合があります。ヒートシンクは頻繁に故障するものではありませんが、故障した場合、普通は目で見て分かる兆候が見られます。付属のパイプに曲がり、ねじれ、穴がないことを確認してください。
ファンの故障
システム自体に問題がなくヒートシンクも正常な場合は、ファンそのものが正しく機能しているか確認しましょう。
- ファンが出している音がどんな音かよく聞きましょう。底面パネルを外して確認するのが理想的です。ゴロゴロ音?カタカタ音?それ以外の聞き覚えのない音ですか?ファンは常時最高速で動いていますか?
- ガラガラ音やゴロゴロ音、その他の通常とは異なるファンの異音はファンの部品の劣化によって起こります。最近のMacBookではファンは唯一の可動部品であることは珍しくなく、また長期間に渡って高速度で動作し続けることも多い部品です。
- ファンの回転速度が変わらなかったり常時高速回転している場合は、ファンの回転速度データが伝わっていないことに関連している可能性があります。ファン自体に回転数を変える機能があっても、回るべき回転数を知る必要はあります。
- より確実に判断するには、MacFansやTGProのようなサードパーティー製アプリでファンの回転数を手動で変えてみましょう。ファンの回転数を変えられるなら、少なくともファンは回転速度のデータを受信していることが分かります。
- ファンの不具合は「イエスかノーか」的な動作を引き起こすことが多いです。つまり、ファンが常時最高速で回転するか、全く動かないかのどちらかという症状です。
キーボードケーブルの破損
MacBook Proの2016年から2019年までの機種の場合、キーボードケーブルの不具合によってファンに関連する問題が起きる可能性があります。これらの機種のファンはキーボードの回路基板に接続されていて、キーボードケーブルがファンの信号をロジックボードに送信する構造になっています。
- ケーブルのコネクタを挿し直してみましょう。ロジックボード側の接続に問題があることが多いですが、もしできそうならキーボード側のコネクタも挿し直してみましょう。
- ケーブルが抜けないようにするためのラッチが欠けたりしておらず、しっかりロックされているか確認しましょう。
- ケーブルが明らかに破損している、コネクタに挿し直しても症状が改善しない、あるいは他の対策をとっても効果がない場合は、キーボードケーブルを交換してみましょう。
センサーデータの不具合もしくは欠落
ほとんどのコンピュータには、局所的な温度や接続された回路の電圧や電流をシステムに知らせるセンサーが数多く搭載されています。センサーのデータが欠落したり安全な値から外れたりすると、Macは保護モードに入ります。ファンは高速で回転しCPUは動作速度を下げます。Macの起動には長い時間がかかるようになります。
- この問題は、例えMacの温度が低かったとしても、ファンが高速で回転し続けるという症状を伴うのが普通です。Apple Diagnosticsで診断を行うと、SMC(システム管理コントローラ)に関連したリファレンスコードを表示するかも知れません。このようなリファレンスコードは「PFM」で始まります。
- TGProまたは他の温度監視アプリを使用して、センサーデータの欠落や異常値がないかを確認します。よく原因となるのはトラックパッドやトラックパッドケーブル、そしてバッテリーです。関連する部品間のケーブルのコネクタを挿し直してみましょう。
- バッテリーの健康状態を確認しましょう。macOSで分かるより詳しい情報を得るために、Coconut Batteryをダウンロードしましょう。表示された結果について疑問がある場合は、アンサーフォーラムで新しく質問してみましょう。もしバッテリーが疑わしいと判断したら、バッテリーを交換しましょう。
- バッテリーに問題がある場合、Apple Diagnosticsで診断を行うと電源管理システムに問題があることを示す「PPN」で始まるリファレンスコードを表示することがあります。
ロジックボードの破損
ロジックボードはMacBookの機能のほとんどを担う中枢部品です。ロジックボード上の小さな部品はどれも外れたり破損する可能性があります。このページに書いてある他の対処法がどれも効果がなかった場合、原因はロジックボードの破損だと仮定するのが安全です。
- ロジックボードが破損している場合、自分で修理しようとする人にとってロジックボードの交換が最も現実的な解決策です。ロジックボードが破損していて、データを回収する必要がある場合は、こちらのガイドを参考にして下さい。
液体や物理的な衝撃による破損
基板レベルの問題の多くは、突発的な破損の直接的な結果です。
MacBookは持ち運びできるように作られたデバイスなので、これは必然的な結果です。このような破損の大半は目視で確認できます。
- 基板の問題の明らかな兆候(部品の焦げやひび割れ、液体の痕跡、腐食、曲がり)がないかを確認します。液体の痕跡がある場合でも、 Macが復活する可能性はまだあります 。
修理後に注意すべきこと
特にバッテリー交換の際に言えることですが、修理中にファンのデータを中継する部品を損傷してしまうことがあります。多くの場合破損はキーボード側の面の基板の端付近で起きます。このような部品は組み立て直す際に外れてしまうことがあります。基板を外した際には特に外れがちです。
- このような時に外れる部品は基板の上でも最も小さいタイプの部品なので、知らないうちに破損した場合気付くのは難しいです。部品が外れやすい場所は機種によって異なります。作業が終わったら念のため基板の端付近をしっかり確認しましょう。
- もしこのような部品が欠けたり潰れたり傷ついた場合、修理するには非常に小さい部品を半田付けする技術が必要になります。
基板の故障に関する一般論
基板の不具合は発生することがあります。基板を交換するだけでは満足できない場合は、マイクロソルダリングで修理することができます。これは、それ自体が芸術ですが、冒険好きな人には価値のある試みです。マイクロソルダリングについてもっと知りたいという方は、こちらのブログとYouTubeビデオをご覧ください。
以下の翻訳者の皆さんにお礼を申し上げます:
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これらの翻訳者の方々は世界を修理する私たちのサポートをしてくれています。 あなたも貢献してみませんか?
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